お豆の迷走記~アラサー独女の独り言

人生迷走中アラサーお豆の日常や家族の話

デスク本棚の一冊の本  後編

8月11日に会いに行ったころから

やーさんは時々、息苦しそうにしてた。

鼻から酸素を送るようになってるのに

口でしんどそうにしてるから

「鼻でぐーっと吸ってみ!」って言って

鼻で吸ったら楽になったのか

うんうん!ってお豆を見てた。

 

 

バイト終わりに会いにいって

話を聞いて(半ば強引に聞き出して)

アルバムに綴って・・・・

 

 

お盆休みも終わりの日、

バイト終わりにやーさんのところへ寄った。

 

いつもの様にウトウトしてた。

手をぎゅって握ったら起きちゃった;;

 

やーさんは酸素を鼻からじゃなくて

口からでも吸えるように、マスクになってた。

 

「マスクになって少しは呼吸楽なん?」って聞いたら

うんうんって頷いてた。

「なら良かったね!」って言って

またいつもみたいに色々聞いてたら

ちょっとすねちゃったw

で、そのままウトウトし出したから

「またね!」って話して、帰った。

 

 

お盆休み終わってから

次はいつやーさんに会いに行けるだろう・・・って思っていたら

ふーさんから電話が来た。

「8月もつかなぁって言われたんや」って泣きながら電話をくれた。

これは迷っちゃ居られない!と、早々に予定をやりくりして

2日後にあいに行けるようにした。

 

けど・・・・

次の日、ふーさんから「もうあかんみたい」と連絡があった。

家族じゃないから病院には入れてもらえず;;

ただただ、頑張って!と念を送った。

せめて家族がみんなそろうまでは!!!!!!って。

 

 

夜中にふーさんから亡くなったと連絡が在った。

次の日の早朝に家に連れて帰ってきてるからと知らせがあったので

明け方早々に家に行った。

 

すっごくいい顔で眠ってた。

遺影の写真も見たことないほどの笑顔で、とびっきり良い写真だった。

孫と一緒に撮った写真で、会社の作業着を着てた。

40年以上勤めた会社の作業着の遺影。

なんだかとってもやーさんらしくて、最高の遺影だった。

 

 

お通夜、お葬式ってバタバタバタバタと終わって

なんだかぽかーんって寂しい感じ。

 

 

 

あれから何ヶ月も経ったけれど

やっぱりまだどこかにいそうなんだよね;

ひょっこり現れるんじゃないかって思っちゃう。

 

 

時間を見つけては、用事を作っては

ふーさんに逢いに行ってる。

ふーさんは、寄る一人になると寂しいって・・・・。

お豆がつくったアルバムを何度も何度もみて泣いてるって。

 

 

ふーさんのしらないやーさんが、

普段しゃべらなかったやーさんに聞いたやーさんの気持ちが

アルバムにはいっぱい在って、本当に感謝しているって言われた。

 

 

やーさんが亡くなって、お通夜や葬儀の時に

まーちゃん以外の親族のかたに、

「あ!噂のお豆さんや!!!!」って言われました。

「あのアルバム作ってくれたお豆さんやろ?」って。

 

みんなあのアルバムを作ったことを本当に喜んでくれていました。

そして親族でもないのに、親族の様にやーさんとお別れをさせてもらえました。

有難いなぁって、作って良かったなぁって思っています。

作ってるとき、お節介だな;って思いながら

やーさんに話を聞いては書き綴って・・・・

作ってていいのかなぁって迷ったけど、今は心から良かったって思う。

 

 

人が亡くなったあと

誰もその人を思い出さなくなった時

人は本当に死んでしまうんだ

 

って言われたことがある。

だからこそ、

やーさんが幸せ者だってことを

やーさんが家族を大好きだって思ってるって事を

ずーっと思い出して貰えたらいいなって・・・・

一人で思ってる。

 

 

 

デスクの本棚にある一冊の本をみて

私はいつもやーさんを思い出す。

 

 

そしてまた、ふーさんに、まーちゃんに逢いに行こうって思う。

やーさんの話をしたいからね。