お豆の迷走記~アラサー独女の独り言

人生迷走中アラサーお豆の日常や家族の話

デスク本棚の一冊の本 前編

デスクの本棚に一冊だけ本がある。

紙のブックカバーがかかった本をみながら

ずーっとこの本をくれた

やーさんのことを考えている。

 

 

 

やーさんと出会ったのは

今から9年前。

 

お豆が今の会社に入社したとき

配属先の参事だった。

 

 

最初はマジでメッチャ怖かった;

無口で、無愛想で・・・

いつも小声でしゃべるのに、いきなり怒鳴ったり・・・

 

当時の課長も怖い人で

入社したばかりで、何も分かって無い中

毎日毎日怒られてばかりで

正直、3日で会社やめようと思った。

 

 

5月の休み希望出すときに

課長と、やーさんが休みの日は出勤になるようにしてた。

1日でもシフト被らないようにしてたな。

 

 

GWの出勤から、やーさんがいい人だってわかったんよね。

理由は単純でさ、仕事の店舗が合って良かったんよね。

 

お豆がやりたいようにやっても

それをわかって、一緒にやってくれる。

たったそれだけだけど、急に距離が縮まったねw

 

 

仕事に関しては本当にやりたいようにさせて貰ってた。

こうした方が良いんじゃないか?

こっちの日宇が効率良いんやない?

とかも、全部聞いてくれて、

きゃんと話し合って、やらせてくれたな。

 

 

もちろん、間違ってることやダメなことは

ちゃんと叱ってくれたよ。

それこそマジでクソ怒鳴られた。

 

 

でも、それもちゃんと叱ってくれたからこそ

今もまだ、この会社ではたらけてるんだよね;

 

夏はアイス、冬は肉まんを筆頭に

よく大福やお菓子、パンとかみんなにかってくれてたな。

アイスはハーゲンダッツやし、

肉まんもプレミアム肉まんとかだったし

出かけたらお土産買ってきてくれたり

リクエストすれば大概の物は買ってきてくれたな。

 

 

部署異動担ったときは

「お前はメチャクチャ仕事してた。どこ行ってもやれる!」って

歓送迎会で言われた時は嬉しかったな。。。

 

 

 

 

 

 

 

そんなやーさんが休職したのは

今年の初めだった。

 

糖尿で通ってる病院の血液検査で

白血球の数値がとてつもなく高かったらしい・・・

 

 

同じ部署にいる元看護婦さんに話したら

「大なり小なり悪いとこがあると思うから

病院でちゃんと検査したほうがいいよ!!」

の一言で、1月は検査ばっかりしてたって。

 

 

体調不良で休んでいると聞いて

やーさんの奥さん(ふーさん)に大丈夫って?連絡した数日後

会社に休職手続きに来たやーさんが

お豆のデスクに連絡をくれた。

 

 

やーさんに会いに、やーさんの部署へ走っていった。

ふーさんに、「それは置いておき!」「それはもって帰りよ!」っていわれながら

やーさんは机を片付けていた。

 

 

すでに肝内胆管癌だって診断されて

抗がん剤治療が始まってた。

やーさんはがりがりになって、しゃっくりが出てた。

 

 

やーさんとふーさんと少し話してたら

「もう読んだからやるわ。」と一冊本をくれた。

「これが遺品になるかもな」って冗談言って

手渡してくれた本を持って、デスクに戻り

デスクの本棚においた。

 

 

 

次のお休みに

隣の県にある、有名な癌祈祷のお寺にお参りにいった。

祈祷をお願いして、御守とか貰って、絵馬を書いて帰った。

もちろん全部やーさんの願封じ祈願。

 

 

その日のうちにやーさんの家に持っていった。

ふーさんが「ご飯食べていき!」って言ってくれたけど

食べて後だったから断ったら、「持って帰り!」ってパックに入れてくれた。

 

 

抗がん剤治療始まってから、

副作用で食べれなくなったやーさんといて

ふーさんもご飯が食べれなくなったっていって

二人とも痩せてた;;

「そんなんじゃあかんで!絶対なおる!

しっかり食べなきゃ治す体力がないでしょ!

ぼちぼちでええからたべてよ。」っていって帰った。

 

 

それから少しして

やーさんの娘(まーちゃん)から電話が来て

お豆のバイト先までやーさんと一緒に会いに来てくれた。

「このメロンパン美味いから、お前にやるわ!」って。

メロンパンを沢山貰った!!

 

 

あとでまーちゃんが

「お豆ちゃんにあげるんやっていって、メロンパン買い占めてたわ」って

教えてくれた!

お豆はメロンパン大好きってわけじゃないけど、

めちゃ美味しかったし、嬉しかった。

 

 

その日、病院に行ってたみたいで

「数値も安定してきて、体重も増えてきた。」って

よろこんでた!

抗がん剤きいてるんやん!ご飯食べなあかんで!」って

二人を見送った。

 

 

それから何回かやーさんに会いに

家にいった。

基本はふーさんとのおしゃべりだったけど

やーさんの体調とか、私の職場の愚痴とか話してると

やーさんも話に参加してきた。

 

 

 

6月なかなか行けなくて

地域のおまつりでまーちゃんに合ったとき

少し体調悪いって聞いたから

ふーさんに「最近どう?」って連絡した。

体調は芳しくないようで、バタバタして・・とのことで

逢いに行くのは日を調整することにした。

 

 

6月の終わりに

ふーさんから、やーさんが入院したと連絡があった。

家族も面会出来ないから、当然お豆も合えない。

良くなってほしい!と祈るばかりだった。

 

 

7月に入ってから

ふーさんから、やーさんが転院する事になったと連絡が来た。

すぐにふーさんに会いにいった。

ふーさんから、今のやーさんの容態や転院﨑の病院や

面会などについて話を聞いた。

 

やーさんは、誤嚥性肺炎になりかけ

癌の数値も上がり、「もう危ないかも。」と

病院で言われ、家を整理したとふーさんが話してくれた。

「もうやばいっていうからさ

みんなに連絡したし、死んだら連れて帰ってこないかんから

部屋片付けたんよ。

ほしたらさ、急に容態落ち着いてきて、数値も良くなったんよ。」

って笑ってた。

「あれやな、私に勝手に死亡させられたから、

なにくそ~って元気になったんやわな。」

ってちょっとほっとしたみたいにふーさんは笑ってた。

 

 

それから、転院の朝、ふーさんに病室を教えて貰った。

ふーさんからやーさんと二人で撮った写真や

ネコちゃん達の写真を貰って、現像して、アルバムを作成した。

それから、チェキを買って、プリンを買って

やーさんに会いに行った。

 

 

チェキで写真撮って、アルバムに貼って

コメントを書いた。

 

毎週1.2回は会いに行って、写真撮って

コメント書いてた。

病院で言われたり、なんかあったらふーさんに連絡した。

 

 

7月の終わりに、ふーさんから病室が変わったと連絡があった。

新しい病室は、緩和病棟だった。

でも、何も変わらずお見舞いに行った。

そして、やーさんと沢山話をした。

 

やーさんの事や、やーさんの家族の事を

質問しては、アルバムに書き綴った。

 

恥ずかしいのか、ふーさんの事はあまり話さなかったけど

しつこく聞けば、ちゃんと答えてくれた。

 

お盆はやーさんの入院してる病院の近くでバイトだったので

友人の家に居候になり、毎日お見舞いに行けた。

 

 

8/11

ふーさんと入れ違いにお見舞いに行った。

お豆:ふーさん来た?

やーさん:来た

お豆:明日はふーさん来るの?

やーさん:来ん

お豆:そっか、寂しいな

やーさん:うん

お豆:明後日は???

やーさん:分からん

お豆:明後日は会いに来てほしいね

やーさん:うん

お豆:じゃあ、明後日は会いに来てっていっとこうか?

やーさん:うん

ってメッチャ素直だったから、そのままふーさんにLINEした。

 

 

やーさんが色々お豆には話してるみたいね。って

ふーさんがいうので、何か聞いてほしいことある?って聞いたら

外泊どうだったかきいてほしいとのこと。

 

 

やーさんは8/10に外泊し、実家に帰って

子どもも、孫も勢揃いして,わいわい過ごしたわしい。

 

 

次の日、やーさんに外泊の事を聞いた。

そしたら、「家は自由だから、ええわ。」って

「帰れるなら帰りたい。」って言ってた。

 

他にも、旅行にいったことなんかを聞いて

アルバムに綴った。

 

 

その次の日も

バイト終わりにやーさんの所へ行って

話を聞いては、アルバムに書き綴った。

 

 

二人で野球を見ていたら

気がついたらやーさんは眠ってた。

手を握っても、スヤスヤ気持ちよさそうに眠ってたから

手紙を書いて、帰った。