お豆の迷走記~アラサー独女の独り言

人生迷走中アラサーお豆の日常や家族の話

ドリアンの話

久々に祖父の手紙を読み返してみた。

 

omamesan3.hatenablog.com

 

 

そこにドリアンの話が書いてあるハガキがあった。

意味も無く、この話を載せようと思う。

 

 

 

ふとした事から私は果物のking「ドリアン」の傳説を

讀む機會を得たので

そのまま綴ってドリアン紹介にしよう. 


今は昔馬来のとある村落にドリアンと云ふ娘があった 

美貌の神に嫌はれた彼女の顔はその世の醜を一身に集めた程に醜くかった.

一七.八の花盛りにも彼女に見向きをする男もなかった

 

日一日に暗い思ひに沈み行く彼女は、今は世を呪い人を呪い

煩悶の中にこの世を去ってしまった

 

彼女の親兄弟は涙ながらに

憐れな彼女のために懇いにその霊を弔い

立派な碑を建ててやった

 

 

それから間もないことであった

彼女の墓の上に珍奇な木が生えた

そして見るみる成長し

やがて花咲き実を結んだ

ドリアンの果物の王様、木の熱帯果実 の写真素材・画像素材. Image 78106060.

 

それがまだ何人も見た事も聞いた事もない

珍しい不思議な果物であった

 

「今度再生する事が出来るなら果物でも何でもいい

 最も人々に愛好せらふる物になりたい」

といふのが生前の彼女がいい續けてゐた未来への悲願であった

 

この時彼女の肉親は彼女のこの生前の悲しい言葉を思い出した

そうしてこの何人にも不可解な果物が彼女の化身

彼女の再来である事を知った

 

そしてこの果物にドリアンと云う名をつけてやった

 

多くの人々はかうしたドリアンの由来を知らなかったけれども

其の頃から人々は皆狂喜してこの「ドリアン」を愛好した

 

そして人々は今なほ依然としてドリアンの季節には

南洋幾万の人々が其の美味を賞讃し狂喜して

この果物を愛好してゐる

 

可憐なる娘ドリアンはその願望成就にさ満足して

ドリアンの木陰に微笑み續けてゐるであらう

                         終々

 

 

ja.wikipedia.org

kotobank.jp

 

 

このハガキは、祖父が祖母に書いた物で

昭和17年11月9日に祖母の元に届いた物である。

 

祖父は馬来派遣 鯉第五一七三部隊 梅村隊 に属していた

検閲の判子は 陸軍中尉 梅村尚 とある、

 

この手紙にはドリアンの話しか書かれていないが

他の物には祖父の祖母に対する思いが綴られている、

 

今回のドリアンの話も

きっと、祖母にどうしても話したかったのだろう

 

他の手紙に

「果物が美味しく、

 貴女にも食べさせたい、送ってあげたいと思う」

書いてありました、

 

祖父の手紙は当時、よく検閲通ったな・・・

と思う様な文章もある。

 

最近、草食系男子だの、ロールキャベツ男子だの云う人が居るが

やっぱり、どんな時でも気持ちはしっかり伝えて貰いたいなぁと思う。

祖父の手紙を読むと特に・・・そう思う。

 

 

本当に素敵だなぁと思う。

祖父母のこのラブロマンスの一部をこれからもこうやって載せていこうと思う、